第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-405
発表題目 同所的に生息するキョンとニホンジカの行動形質の比較
Comparison between the behavioral characteristics of co-occurring Reeves's muntjacs and Sika deer
要旨本文  房総半島の山林に生息するキョンは中国南東部や台湾を原産とする外来シカであり、侵略的外来種に指定されている。房総半島に定着したキョンは、密度を増加させる傾向にあり森林植生や農作物に対する食害が問題視されてきた。房総半島には在来種のニホンジカ(以下、シカ)も高密度で分布しており、キョンとシカの行動特性の違いがキョンの増加に寄与している可能性がある。本研究では、キョンとシカの行動形質のうち、特に警戒行動に着目して、警戒レベルを比較することで環境要因や人間活動の影響を評価し、キョンがシカと異なる応答を示すかどうかを検証した。 2021年9月-2022年12月 に東京大学千葉演習林郷台エリア(千葉県鴨川市・君津市)の天然林及び人工林に29台の赤外線センサーカメラを設置し、キョンとシカの動画を撮影することで、個体ごとに採餌やグルーミング、警戒行動に費やす時間を計測した。警戒行動では反芻の有無などによる分類を行った。そして、地点ごとに林相や林道からの距離などの環境要因と行動形質の関係を解析し、キョンとシカの行動特性を比較した。 その結果、キョンはシカより警戒レベルが低い傾向にあることが明らかになった。
著者氏名 ○上野大輔1 ・ 平尾聡秀2
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科附属演習林秩父演習林
キーワード 外来種, カメラトラップ, 警戒行動, 採餌行動, 種間相互作用
Key word alien species, camera trap, vigilance, foraging, interspecific interaction