第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-409 |
発表題目 | 寄主・非寄主への飛来着地から探るカシノナガキクイムシの寄主探索行動 Approaching and landing of the ambrosia beetle Platypus quercivorus to their host and non-host |
要旨本文 | カシノナガキクイムシ(カシナガ)はコナラやミズナラなどの間で病原菌を媒介しナラ枯れを引き起こす。カシナガは寄主として好適な樹種(寄主樹種)だけでなく不適な樹種(非寄主樹種)にも誤って穿孔することが報告されているが、なぜこのようなエラーが起こるのかは不明である。これを明らかにし、カシナガの寄主探索生態を探るために、2021年6月から9月にかけて、ナラ枯れ被害が進行中の神戸市立森林植物園で164本の寄主樹種と非寄主樹種に粘着トラップを仕掛けてカシナガの着地数を調べ、非寄主樹種へのカシナガの飛来着地に影響を及ぼしている要因を解析した。その結果、カシナガが非寄主樹種へ飛来着地するか否か(着地率)には直上の寄主樹種の樹冠密度が、着地数には非寄主樹種の太さが影響を与えていることが明らかとなり、飛来の段階で寄主樹種の樹冠に誘引されたカシナガが、着地の段階では木の太さを認識して、太ければ非寄主樹種であっても着地することが示唆された。また、周囲の寄主樹種への着地数は、非寄主樹種への着地率と着地数の両方に影響を与えており、寄主樹種への飛来着地が多くなる時期に周囲の非寄主樹種でエラーが起こっていることが示唆された。 |
著者氏名 | ○辰巳賢史郎1 ・ 伊東康人2 ・ 小林徹哉3 ・ 山崎理正1 |
著者所属 | 1京都大学大学院農学研究科 ・ 2兵庫県農林水産技術総合センター森林林業技術センター ・ 3(公財)神戸市公園緑化協会 |
キーワード | ナラ枯れ, コナラ, 粘着トラップ |
Key word | Japanese oak wilt, Quercus serrata, Sticky sheet trap |