第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
講演番号 P-420
発表題目 日本産ブナ科樹木に対するPhytophthora castaneaeの病原性
Pathogenicity of Phytophthora castaneae on Japanese oak species
要旨本文 植物疫病菌(Phytophthora)が世界各国の森林生態系で大きな問題となっている。日本では本属による樹木被害はほとんど顕在化しておらず、日本における樹木疫病の実態は十分に解明されていない。そこで、果樹園で発生するクリ疫病の病原菌Phytophthora castaneaeについて、クリ以外のブナ科樹木10種に対する病原性を調査した。森林総合研究所関西支所の苗畑に生育したブナ科樹木10種の苗を用い、幹の樹皮を直径5.5mmの円形に剥ぎ、PDA培地で培養したP. castaneaeと対照の培地を付傷接種し、1か月後に剥皮して壊死斑長を測定した。7樹種においてP. castaneae接種により形成された壊死斑長は対照よりも大きく病原性が認められたが、ミズナラ、カシワおよびアベマキでは差がなかった。感受性が認められた7樹種における接種の壊死斑長は、コナラで20.7±15.5cmと最も大きく、次いでクヌギ6.8±3.2cmであり、以下ナラガシワ、シラカシ、スダジイ、マテバシイ、ウバメガシの順だった。このことから,ブナ科樹木の中ではP. castaneaeに対してコナラの感受性が高い可能性が示唆された。
著者氏名 ○市原優1 ・ 升屋勇人2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
キーワード 疫病, ナラ類, 病原性
Key word Phytophthora disease, oak, pathogenicity