第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
講演番号 P-423
発表題目 ヤマザクラ果実から分離されたTaphrina属菌
Taphrina isolated from Cerasus jamasakura fruit
要旨本文 福岡県内のヤマザクラ果実に細長く膨らんだふくろ実様症状が観察された。罹病果の表面は始め白く平滑、やがて白い粉状の胞子をつけ、皺を呈した。種子はしなびて正常な発達をしていなかった。罹病果の断面を顕微鏡で観察したところ、Taphrina属の子のうが観察された。罹病果の表面から分離を行ったところ、酵母状の菌が分離された。この菌からDNAを抽出し、アメリカ国立生物工学情報センターが提供するBLAST検索(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)を用いてITS領域の配列を調べたところ、Taphrina属との近似を示したが、最も近いT. truncicolaのITSと96.50%のアイデンティティを示した。ヤマザクラにはふくろ実病はこれまでに報告されておらず、新種の可能性が考えられた。病徴の進んでいない果実表面を洗った水からは本菌は分離されず、果実の組織から本菌が分離された。この結果から、菌の感染と発達が果実内部から外部の方向であることが示唆された。
著者氏名 ○長谷川絵里1 ・ 勝木俊雄2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所多摩森林科学園 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所九州支所
キーワード ヤマザクラ, Taphrina, ふくろ実病
Key word Cerasus jamasakura, Taphrina, fruit pocket