第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-437 |
発表題目 | 屋久島のスギ天然林における実生と成木の細根形態と菌根形成 Fine root morphology and mycorrhizal colonization of seedlings and mature trees in natural cedar forests |
要旨本文 | スギは樹齢1000年を超える巨樹に成長することもあるが,樹齢によらず生育にはアーバスキュラー菌根(AM)菌の共生が関係していることが考えられる.巨樹は長期間の生育過程で周囲の環境に適応するため,細根形態やAM菌共生関係が変化する可能性がある.本研究では,長期間生育しているスギの細根形態やAM菌共生を解明するため,異なる樹齢の細根系の形態特性とAM菌の感染状況を調べた.屋久島のスギ天然林2調査地において,推定樹齢1000年以上の成木と実生それぞれ5本から細根系を含む土壌を採取した.細根系はスキャナーで読み込み,1次根から3次根の根長,直径,分岐比,分岐強度,比根長を測定し,一部は,AM菌の感染率を推定するため光学顕微鏡観察を行った.その結果,成木の2次根数あたりの1次根数における分岐比は実生に比べて有意に大きかった.AM菌は全ての根系で感染が確認されたが,成木と実生の感染率に有意差は認められなかった.以上より,長期間生育するスギでは,実生に比べて1次根数を増大させ,養水分吸収効率を高めている可能性がある.多くの1次根を分岐することは,スギが長期間生育することを可能にすると考えられる. |
著者氏名 | ○小島直也 ・ Yustikasari, Linda ・ 北上雄大 ・ 松田陽介 |
著者所属 | 三重大学大学院生物資源学研究科 |
キーワード | 菌根感染率, 顕微鏡観察, 次数根, 比根長 |
Key word | mycorrhizal infection rate, microscopic observation, root order, specific root length |