第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
微生物部門[Forest Microbes]
日付 | ポスター発表 |
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会場名 | (学生ポスター賞の審査対象) |
講演番号 | P-445 |
発表題目 | エゾマツの発芽阻害に関与する菌類は標高によって異なる Fungi associated with the inhibition of germination of Picea jezoensis differ along the elevation |
要旨本文 | エゾマツが地表で天然更新できないことの要因の1つとして、暗色雪腐病菌など積雪下で活動する病原菌が種子の発芽を阻害することが挙げられる。本研究は、エゾマツの発芽阻害に関与する菌類の種構成や発芽阻害の程度を明らかにすることを目的とした。東京大学北海道演習林の天然林において、異なる標高(低標高=500 m, 高標高=700 m)に6か所ずつ調査地を設定し、林床にエゾマツ種子を設置して積雪下でエゾマツ種子に感染する菌類を採取した。その結果、低標高調査地からは14種、高標高調査地からは18種、計26種が分離された。高標高調査地では、全ての調査地で暗色雪腐病菌の分離率が最も高かった一方、低標高調査地ではNeonectria ramulariaeの分離率が高く、5つの調査地で暗色雪腐病菌の分離率を上回った。分離された26種についてエゾマツ種子に対する接種試験(3℃・3ヶ月)を行ったところ、暗色雪腐病菌とN. ramulariaeを含む22種において50%以上の発芽率の低下がみられた。以上のことから、さまざまな菌類がエゾマツの発芽阻害を引き起こし、標高によってその種構成は異なることが示唆された。 |
著者氏名 | ○岩切鮎佳 ・ 松下範久 ・ 福田健二 |
著者所属 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 |
キーワード | 雪腐病, 天然更新, 種子腐敗 |
Key word | snow blight, natural regeneration, seed rot |