第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-447
発表題目 スギ細根由来の内生菌のプロテアーゼ活性とスギ実生の生育に及ぼす影響
Protease activity and effects on cedar seedling of endophytic fungi derived from ceder fine roots
要旨本文 スギは主要な植栽樹種であり、その細根には組織に病気を起こさず存在する内生菌が生息する。内生菌は分解酵素により土壌有機物を無機化して植物の養分獲得に関わる。本研究では、根内内生菌の酵素による窒素無機化能力がスギの生育に与える影響を解明するため、有機態窒素存在下におけるスギ実生への内生菌の接種試験と酵素活性試験を行った。スギ実生に各菌株を接種してから無機態窒素を含む1/100 MS培地、有機態窒素として0.3 % BSAを施肥し、6か月間育成した。内生菌の一部はブラッドフォードアッセイによる酵素活性の評価を行う予定である。回収したスギ実生の細根において菌糸体の確認ができた実生の平均総乾重量は、無接種の対照に対して最大で176 %、最小で78 %となった。菌株を目レベルで分類すると、目ごとに生育が異なる傾向が見られ、特にビョウタケ目の平均総乾重量は対照と比較して最大で162 %と増加傾向を示した。以上のことから、関わる内生菌の分類によりスギ実生の生育に及ぼす影響が異なり、それが菌株の窒素無機化能力に依存する可能性があると考えた。今後得られるデータも加味して、内生菌の酵素活性の程度がスギ実生の生育に及ぼす影響を考察したい。
著者氏名 ○大塚理香子1 ・ 北上雄大2 ・ 山中豪3 ・ 松田陽介2
著者所属 1三重大学生物資源学部 ・ 2三重大学大学院生物資源学研究科 ・ 3三重県林業研究所
キーワード 根内内生菌, タンパク質, 窒素無機化, ブラッドフォード法, 酵素活性
Key word root endophytic fungi, protein, nitrogen mineralization, Bradford assay, enzyme activity