第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付 ポスター発表
講演番号 P-450
発表題目 外国原産果樹に加害した養菌性キクイムシと変色部から検出された菌類
Ambrosia beetles attacking fruit trees of foreign origin and fungi detected from discolored areas
要旨本文  日本の温暖地では、アボカドやコーヒーノキの栽培が近年増加している。海外では養菌性キクイムシのEuwallacea属によるアボカド衰退枯死や、Xylosandrus compactusによるコーヒーの枝枯れが農業生産上の問題となっており、これらの被害には随伴菌のFusarium solani 種複合体(FSSC)の関与が示唆されている。本研究では国内植栽のアボカドとコーヒーノキへのキクイムシ類の加害とその随伴菌類との関係について調査を行った。鹿児島県瀬戸内町のアボカドの枯死枝からはE. fornicatior(あるいはE. perbrevis)が検出された。沖縄県名護市のコーヒーノキ枯死枝からは、X. compactusとE. fornicatusの2種を検出した。被害樹木の組織からの菌分離では、両樹種ともにFSSCに属する菌類が検出された。またこれらの菌の系統解析を行ったところ、両樹種から検出されたFSSCの中には、養菌性キクイムシと共生関係にあるAmbrosia Fusarium Clade(AFC)に属する菌類が含まれていた。AFCには樹木病害の主因となる菌種が多数含まれており、今後検出された養菌性キクイムシによるFSSCの媒介や、宿主範囲について検討する必要がある。
著者氏名 ○宮越望1 ・ 足助聡一郎1 ・ 梶村恒2 ・ 升屋勇人3 ・ 黒田慶子1
著者所属 1神戸大学大学院農学研究科 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
キーワード 養菌性キクイムシ, 菌類, Fusarium solani
Key word Ambrosia beetle, fungus, Fusarium solani