第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]

日付 ポスター発表
会場名 (学生ポスター賞の審査対象)
講演番号 P-463
発表題目 針広混交林における30年の時間変化と植生の空間分布に対する鳥類の反応
Birds' responses to 30-year change and vegetation spatial distribution in mixed coniferous and broadleaf forests
要旨本文  2022年の4月から12月に、愛知県北東部のスギ人工林および針広混交林で、鳥類相の調査を行った。ラインセンサス(以下センサス)(早朝、毎月上・下旬)に、音声録音(早朝・夜間、毎日)を併用した。センサスでは、6目22科44種の鳥類を確認した。その種構成をOhno and Ishida(1997)による30年前の同所でのセンサス結果と比較すると、アオバト、キバシリ、キビタキ、キセキレイなどが新たに移入していた。また、外来種であるソウシチョウも発見された。一方で、コマドリなどの一部の種は姿を消した。音声録音では、センサスの結果にないジュウイチやアカショウビンなどの他、夜行性のヨタカやフクロウを確認した。 ライン上の植生との関係をみると、スギ人工林よりも針広混交林で鳥類の種数が多く、多様度指数も高かった。この傾向は、留鳥(一年中生息している鳥)よりも夏鳥(春から初夏に渡ってきて繁殖する鳥)・冬鳥(晩秋に渡ってきて越冬する鳥)で顕著だった。また、種ごとに選好性が異なり、例えばカケスはどの植生も幅広く利用したが、エナガは広葉樹のある林分を強く選好した。
著者氏名 ○柴山潤太1 ・ 梶村恒2
著者所属 1名古屋大学農学部 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード 鳥類群集, ルートセンサス, 録音解析, 種多様性, 生息地選好性
Key word avian community, route census, voice recording analysis, species diversity, habitat preference