第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]
日付 | ポスター発表 |
---|---|
講演番号 | P-467 |
発表題目 | 放射性セシウムに汚染された森林における植栽木や実生の面移行係数 Aggregated transfer factors of planted trees and seedlings in forests contaminated with radiocesium |
要旨本文 | 原発事故により放出された放射性セシウムは森林内に長く留まり、森林や林産物の利用に影響を及ぼす。本研究では、林産物の利用回復を目的とした主要林木の将来の放射性セシウム濃度予測に資するため、林野庁が2018〜2020年に実施した、原発事故後に更新したスギ、ヒノキ、カラマツ、コナラ、クヌギの植栽木とアカマツ実生の地上部と地下部についての調査データを解析した。調査は、福島県の浜通りから中通りに位置する230調査区で行われ、25m方形区内5か所で採取した対象木の当年枝(葉)、材、樹皮、並びに、堆積有機物と0–5cm及び5–10cm深の土壌の137Cs濃度データから面移行係数を算出した。植栽木等の面移行係数(m2/kg)は、10-6〜10-2 の水準範囲に分布し、中央値は樹種間で20倍、部位間で10倍程度の違いがあった。一方、樹種別部位毎の面移行係数の中央値は、調査区間で100倍を超える大きな変動を示した。樹木の将来の放射性セシウム濃度の予測精度の向上には、樹種による放射性セシウム吸収特性の把握に加えて、生育環境の違いによる面移行係数の変動要因を明らかにすることが重要である。 |
著者氏名 | ○三浦覚1 ・ 大橋伸太1 ・ 荒木眞岳2 ・ 小松雅史1 ・ 橋本昌司1,3 ・ 長倉淳子1 ・ 坂下渉1 ・ 今村直広1 ・ 眞中卓也1 ・ 重永英年1 ・ 篠宮佳樹1 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2林野庁森林整備部研究指導課 ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科 |
キーワード | 福島第一原子力発電所事故, 放射性セシウム吸収, スギ, アカマツ, コナラ |
Key word | Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident, Radiocesium uptake, Japanese cedar, Red pine, Konara oak |