第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]
日付 | ポスター発表 |
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講演番号 | P-479 |
発表題目 | 菌根菌によるセシウム吸収および溶出能力の評価 Evaluation of Cs absorption and elution capacity by mycorrhizal fungi |
要旨本文 | 福島第一原発事故により各地に拡散した137Csは、菌根菌の子実体に高濃度に蓄積され、その濃度は種類により差があることが報告されているが、その詳細は明らかにされていない。そこで、本研究では菌根菌の種類によるCs吸収機能及びCs溶出機能(有機酸の放出により、土壌鉱物に含まれるCsを溶かしだす機能)の差異を明らかにすることを目的とする。まず、Cs吸収機能の差異を明らかにするために、非放射性Csを用いた室内実験系での培養試験を行った。供試菌には菌根菌16株と腐生菌8株を用い、塩化セシウム1 ppmを加えた改変川合・小川培地にて、約23度で8週間、暗黒条件で培養した。培養後、菌体中のCsをICP-MSを用いて定量した。その結果、ツチグリ属、ニセショウロ属の一部の菌株に高いCs吸収が認められた。次に、Cs溶出機能の差異を明らかにするために、CAS試験を行った。土壌鉱物から固定態Csを溶出させるためには、AlやFeと錯形成する有機酸などの酸性物質が重要であると報告されており、CAS試験は菌がこのような物質を産生しているか判別する試験である。その結果、ツチグリ属、ニセショウロ属、ヌメリイグチ属の菌株に活性が認められた。 |
著者氏名 | ○小河澄香1 ・ 眞中卓也2 ・ 小松雅史1 ・ 赤間慶子1 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域 |
キーワード | 菌根菌, セシウム, 溶出 |
Key word | ectomycorrhizal fungi, Cs, elution |