第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 ポスター発表
講演番号 P-480
発表題目 シイタケ原木におけるCs-137の分布状況と子実体への移行の関係
Relationship between distribution of Cs-137 in shiitake mushroom logs and transfer of that to the fruiting bodies
要旨本文 より安全なシイタケの原木栽培を行うためには、放射性セシウムが原木から子実体にどれほど移行するか、また移行の要因は何かを知ることが重要である。本研究は、福島第一原子力発電所事故により汚染されたコナラの原木を用いて栽培されたシイタケの子実体において、原木のそれぞれの部位(外樹皮、内樹皮、辺材)に含まれる137Cs量と子実体に含まれる137Cs量との関係を明らかにすることを目的とする。屋内で栽培管理を行い、子実体が発生した63本の原木について、外樹皮、内樹皮、辺材の137Cs量を測定した。また、1回目の発生で得られた子実体の137Cs量を原木毎に測定した。子実体の137Cs量に対する、「外樹皮に含まれる137Cs量」、「内樹皮及び辺材に含まれる137Cs量」、「原木全体の137Cs量に対して外樹皮に含まれる137Cs量の占める割合」との関係を統計的に解析した。解析の結果、内樹皮及び辺材に含まれる137Cs量が増加する、または外樹皮に含まれる137Cs量が増加するほど、より多くの137Csが子実体に移行する関係が示された。また、これらの移行の程度には、原木における部位ごとの137Cs量の分布割合が関係する可能性が示唆された。
著者氏名 ○小林勇介1 ・ 櫻井哲史2 ・ 手代木徳弘1 ・ 長峯秀和1 ・ 小川秀樹1
著者所属 1福島県林業研究センター ・ 2日本大学
キーワード シイタケ, 放射性セシウム, 原木栽培
Key word Lentinula edodes, Radioactive Cesium, Bed-log cultivation