第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

Journal of Forest Research論文賞

日付 ポスター発表
講演番号 PP-01
発表題目 ラオス人民民主共和国北部における REDD+活動が温室効果ガス排出削減に及ぼす影響
Impacts of REDD+ activities on reduction in greenhouse gas emissions in northern Lao People’s Democratic Republic
要旨本文 本研究では、ラオス人民民主共和国北部の Houaykhing 村(約 31,000 ヘクタール)における森林破壊と 森林劣化(REDD+)活動による排出削減の複合的な影響を、2011~2018 年にかけて調べた。Houaykhing 村 の温室効果ガス(GHG)排出量の推定削減量を隣接する村々と比較することにより、この地域における REDD+活動の有効性を定量的に評価した。また 2 つの主な種族である Khmu 族と Hmong 族に属する世帯 を対象に、REDD+活動の正負の影響、近年に導入された生計改善策(例えば、代替生計手段としての畜産 の促進)、社会的要因(例えば村人の日常生活への満足度や村人による活動頻度)も評価した。本研究では、 REDD+活動が GHG排出量にプラスの影響を与えたものの、Khmu族とHmong族の間での家畜飼育普及と 放牧地拡大の違いが、2 つのグループ間での所得格差の拡大をもたらし、村での日常生活への満足度の差が 拡大したことが示された。これらの結果は、特に複数の民族グループが住む狭い農村地域を対象とする場 合には、文脈上および手続き上の公平性を確保する必要性と、REDD+活動を計画および実施する際の自然 資源と人的資源の両方を考慮することの重要性を強調している。
著者氏名 ○Mottoshi Hiratsuka, Chaloun Bounithiphonh, Phonevilay Sichanthongthip, Miki Toda, Natsuko Kobayashi, Hozumi Hashiguchi and Chanhsamone Phongoudome
著者所属 早稲田大学