要旨本文 |
本研究では、立木を叩いた際に発生した音を画像化し深層学習を用いて樹高、材積を推定した。立木 20 本の樹幹を 1 本につき 100 回打撃した際に発生した音を録音、0.6 秒間における各周波数の音圧を表した スペクトログラムを 10,000 枚作成し入力画像とした。深層学習システムは NNC を、深層学習アルゴリズム は出力層を回帰層とした LeNet を用いた。学習用データを 5 セットに分割し、三つの学習パターン(LP-I: 訓練事例 8 割、未知事例 2 割、LP-II:大中小三区分から 1 本ずつ抽出した木を未知事例、LP-III:2 本ずつ 抜出した木を未知事例)の樹高、材積を推定した。推定精度の検証には平均絶対誤差、平均絶対パーセント 誤差および決定係数を用いた。その結果、各学習パターンの未知事例に対する R2 値は、LP-IIIの樹高(0.3672) を除き、非常に高い値(0.9192 から 0.9996)を示した。LP-IIIの樹高では、30m 以上が過小に、30m 以下が 過大に推定される傾向を示した。一方、材積はどの学習パターンにおいても全体的に偏りのない推定を行 うことができたことから、本手法は材積推定において有効であることが示唆された。 |