第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
S1. マツヘリカメムシ、マツ類を被食する新規外来種の急速な分布拡大とその生態について[Impact of a new invasive insects, Leptoglossus occidentalis, on Japanese pine trees and its ecological characteristics]
日付 | 2023年3月26日 |
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開始時刻 | 9:00 |
会場名 | Room 1 |
講演番号 | S1-3 |
発表題目 | カメムシ類と腸内細菌の共生システム Symbiotic associations between heteropteran stinkbugs and gut bacteria |
要旨本文 | 多くの昆虫類が体内や体表に共生微生物を保持しており、共生微生物は宿主昆虫の生態・生理・進化などに大きな影響を与えている。カメムシ下目に属するカメムシは一般的に植物から吸汁するため、深刻な農業害虫になっている種は少なくない。これらのカメムシ類は腸内に共生細菌を保持していることから、共生の維持機構や共生細菌が宿主カメムシに与える影響は基礎生物学と応用生物学の両方面から注目を集め、研究がおこなわれてきた。共生の維持機構としては共生細菌の垂直伝播と環境獲得の両方が知られており、カメムシ上科では垂直伝播、ヘリカメムシ上科・ナガカメムシ上科・ホシカメムシ上科では環境獲得が一般的である。宿主カメムシから共生細菌を実験的に除去すると成長遅延・矮小化・死亡などの異常が見られることから、共生細菌は宿主の成長に必要な必須アミノ酸やビタミン類を合成・供給していると考えられている。さらに、少なくとも一部のグループでは、共生細菌が宿主カメムシの寄主植物範囲や殺虫剤耐性に影響を与えることも知られている。本講演ではこれらの知見を概説するとともに、マツヘリカメムシの共生細菌の研究で明らかになってきたことを紹介する。 |
著者氏名 | ○細川貴弘 |
著者所属 | 九州大学大学院理学研究院 |
キーワード | カメムシ類, 腸内細菌, 共生 |
Key word | stinkbug, gut bacteria, symbiosis |