第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S4. 「森林サービス産業」:エビデンス収集から社会実装への転換期に森林科学はどのように貢献できるのか?[“Forest-related Service Industry”: How can forest science contribute to the transition from evidence collection to social implementation?]

日付 2023年3月26日
開始時刻 13:00
会場名 Room 3
講演番号 S4-3
発表題目 「森林サービス産業」の観光分野における取り組み
“Forest-related Service Industry": Initiatives in the field of tourism
要旨本文 森林の中で、観光旅行者に人的サービスを提供する事業の一例にエコツアーガイド業がある。例えば、屋久島では1990年代初頭に屋久島自然休養林(ヤクスギランド・白谷雲水峡)を一日かけてガイドが案内するエコツアー商品が開発された。当初は、参加者一人当たり15,000円程度のツアー費は高額だと思われたが、こうした市場が徐々に成長し、今では150人とも200人ともいわれるプロのガイドが屋久島の地域産業を形成している。近年では知床や小笠原などの原生的な森林をフィールドとしたエコツアーガイド業が定着するとともに、里地や里山などの身近な森林におけるガイドツアーも普及してきた。一方で、起業には資格や許認可は不要であり、携帯電話さえあれば始められる仕事だとも言われている。参入障壁の低さ、廃業の容易さ故に、産業としての理解の遅れにもつながっていると考える。一部地域ではガイドの登録・認定が制度化されているものの、この枠組みにとらわれずに活動するガイドは多い。産業としての発展に向けて、子供たちの憧れの仕事として広く知られるようになるためにも、ガイド産業という何らかの枠組みが必要な時期に来ているだろう。
著者氏名 ○寺崎竜雄
著者所属 (公財)日本交通公社
キーワード 森林サービス産業, 観光, エコツーリズム, ガイド
Key word Forest-related Service Industry, Tourism, Ecotourism, Guide