第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S4. 「森林サービス産業」:エビデンス収集から社会実装への転換期に森林科学はどのように貢献できるのか?[“Forest-related Service Industry”: How can forest science contribute to the transition from evidence collection to social implementation?]

日付 2023年3月26日
開始時刻 13:00
会場名 Room 3
講演番号 S4-5
発表題目 森林サービス産業の社会的・学術的位相
Social and Academic Phases of the Forest-related Service Industry in Japan
要旨本文 森林サービス産業は、観光、教育、健康などの目的を軸に、森林の多面的利用を促す施策である。このため、個別の政策論・実践はさておき、なぜ今日において多面的利用が求められているのかが、その社会的・学術的位相を明らかにする鍵となる。第一の背景として、近年の森林利用は、主に都市在住者の価値を反映しつつ多様化してきた。反面、従来の育成林業や物質採取などの生活・生業利用は、その基盤である農山村地域の衰退に伴って位置づけが低下してきた。その結果、森林サービス産業が「新たなライフスタイルの構築」を提唱するように、森林をめぐる社会のパラダイムシフトが進みつつあるという側面がある。このパラダイムシフトは、近未来の森林をめぐる持続的かつ公平な社会構築を前提に方向づけられるべきであり、学術研究も、多様な利用を規定する人間主体の価値の内実とその評価、および異なる価値同士の調整のあり方を探っていくこと等が求められる。
著者氏名 ○平野悠一郎
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所
キーワード 森林サービス産業, 地域社会, 学術的アプローチ
Key word Forest-related Service Industry, Local Society, Academic Approaches