第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S5. ポスト2020生物多様性枠組(GBF)における保全と利用の相克と科学政策対話の役割[Conservation and Sustainable Use in Era of Post-2020 Biodiversity Framework: Designing Map, Indicators and Incentives as Boundary Objects]

日付 2023年3月26日
開始時刻 9:00
会場名 Room 3
講演番号 S5-2
発表題目 国立公園と遺産地域における利用価値と保全価値
Use and Conservation Values in National Parks and Heritage Sites
要旨本文 国立公園および遺産地域(世界自然遺産・世界農業遺産)は多様な動植物が生息しており,生物多様性の保全において重要な地域である。一方,国立公園や遺産地域は美しい自然景観が残されていることから多数の観光客が訪れており,観光利用としても高い価値を持っている。このため,国立公園と遺産地域では利用と保全の両立が課題となっている。利用と保全を両立するためには,観光利用などによって得られる利用価値と生物多様性の保全によって得られる保全価値を定量的に評価し,両者を比較することが求められている。環境経済学では,国立公園および遺産地域の利用価値と保全価値を評価するための手法として環境価値評価手法の研究が進められており,国内でも多くの実証研究が行われてきた。従来の方法では,訪問者や一般市民を対象に実施したアンケート調査のデータを用いてきたが,近年はSNSや携帯電話の電波情報などのビッグデータの活用も進められている。本報告では,国立公園および遺産地域の利用価値と保全価値の評価について最新の研究動向を展望するとともに,国立公園や遺産地域における利用と保全の両立の実現に向けて今後の課題を検討する。
著者氏名 ○栗山浩一
著者所属 京都大学大学院農学研究科
キーワード 国立公園, 世界遺産, 農業遺産, レクリエーション, 生物多様性
Key word national park, world heritage, GIAHS, recreation, biodiversity