第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
S5. ポスト2020生物多様性枠組(GBF)における保全と利用の相克と科学政策対話の役割[Conservation and Sustainable Use in Era of Post-2020 Biodiversity Framework: Designing Map, Indicators and Incentives as Boundary Objects]
日付 | 2023年3月26日 |
---|---|
開始時刻 | 9:00 |
会場名 | Room 3 |
講演番号 | S5-3 |
発表題目 | 世界農業遺産に認定された国東半島宇佐地域でのクヌギ林の持続的活用と保全 Sustainable utilization and conservation of sawtooth oak forests in Kunisaki Peninsula and Usa GIAHS area |
要旨本文 | 大分県国東半島宇佐地域は、2013年国連食糧農業機関より世界農業遺産に認定された。クヌギ林の循環的利用によるシイタケ生産、保水力豊かな森林土壌とため池からの水を活用した水稲やシチトウイ生産、森林、ため池などが潤す沿岸域漁業などと景観、文化、生物多様性の一体的価値が認められた結果であった。 水や栄養塩循環の起点であるクヌギ林の保全は、シイタケ農家による約15年周期の萌芽更新でなされてきた。クヌギ新芽を食い荒らすシカの個体数調査、狩猟やワナによる個体数管理、シカネット整備、下草刈り支援によってクヌギ林を保全し、シイタケ原木供給能、水源涵養能、二酸化炭素固定能の維持増進を行っている。また、次世代を担う児童生徒やシイタケ生産への新規参入者の啓発教育活動にも重点を置いており、地域の循環型農林水産業の意義や実態を考えることで人材育成を進めている。さらに、大学と連携しクヌギ林やため池周辺に生息する絶滅危惧種オオイタサンショウウオの生育調査や新種発見を支援し、農林水産業と生物多様性を同時に維持することを目指している。これらの保全活動は、農林水産省により定期的にモニタリングと評価が行われている。 |
著者氏名 | ○林浩昭 |
著者所属 | 国東半島宇佐地域世界農業遺産推進協議会 |
キーワード | クヌギ林, 国東半島宇佐地域, 世界農業遺産, 持続的活用と保全 |
Key word | sawtooth oak forests, Kunisaki Peninsula and Usa area, GIAHS, Sustainable utilization and conservation |