第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S5. ポスト2020生物多様性枠組(GBF)における保全と利用の相克と科学政策対話の役割[Conservation and Sustainable Use in Era of Post-2020 Biodiversity Framework: Designing Map, Indicators and Incentives as Boundary Objects]

日付 2023年3月26日
開始時刻 9:00
会場名 Room 3
講演番号 S5-4
発表題目 民間主体の生態系保全に資する組織連携の分析:南アルプスエコパークの事例
Analysis of Social Networks for Ecosystem Conservation Led by the Private Sector: The Case of Minami-Alps Eco-Park
要旨本文 近年、生物多様性分野の保全の実践では、公的機関による保護地域以外の保全地域(OECM)への期待が高まっている。国内でも登録が増加しているエコパークを例にすると、緩衝・移行地域は、経済・観光と保全を架橋する場であり、民間団体による生態系の保全と持続可能な利活用が調和した国際的なモデルとなる取組が行われており、OECMへの示唆に富む。一方、OECMでは、保全効果や保全地域の連続性の確保が求められ、多様な組織間での連携が欠かせない。そこで、本研究は、南アルプスエコパークを事例に、質問票調査及び社会ネットワーク分析等を基に、地域資源を活用した取組に関する社会組織間の連携状況を解明し、民間主体の生態系保全の促進に寄与する示唆の導出を図った。その結果、各構成地域で、連携数は同定度確保されていた(p<0.05)が、連携の質(スムーズな連携の実現状況に対する認識)には差があった(p<0.05)。また、連携の課題として、「調整を担う人物・組織がいない・または機能が弱い」ことが最も選択されていた。以上より、民間主体の生態系保全に資する組織連携の実現には、連携の数よりも質を改善する取組を優先することが必要であると考えられる。
著者氏名 ○鈴木裕也1,3 ・ 内山愉太2 ・ 香坂玲3
著者所属 1名古屋大学大学院環境学研究科 ・ 2神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ・ 3東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード ユネスコエコパーク, 自然共生サイト, 社会ネットワーク分析
Key word Biosphere reserves, Other effective area-based conservation measures, Social Network Analysis