第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]
日付 | 2023年3月26日 |
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開始時刻 | 15:15 |
会場名 | Room 5 |
講演番号 | T1-7 |
発表題目 | ミミズの保全に配慮した森林管理を目指して:かき起こし施業を事例に Toward forest management considering earthworm conservation: A case study of soil scarification |
要旨本文 | ミミズは、土壌の物理性を改善し、栄養塩循環を促進するため、土壌機能の面において特に重要な生物として注目されている。つまり、ミミズの保全に配慮した森林管理方法を開発することは、土壌機能の保全にも配慮した持続的な森林管理につながる。一方で、森林管理に伴う土壌の攪乱は、ミミズ群集に対して破壊的なダメージを与えることが知られている。ミミズの保全に配慮した森林管理を実現するためには、土壌攪乱がミミズに与える影響の持続性や、再定着の開始時期、個体数の増加を制限する環境要因など、基礎的な知見を明らかにすることが重要となるが、研究例は限られている。 そこで本研究は、北海道で広く実施されているかき起こし施業(樹木の競争植生であるササを表層土壌ごと剥ぎ取る地拵え作業)を対象に、施業を実施してからの経過年数が1-49年と異なる15林分において、ミミズの個体数、現存量、土壌環境および植生環境を調査した。その結果、ミミズはかき起こし施業直後の数年間は消失する一方で、10年以内には再定着を開始することが明らかとなった。本発表では、ミミズの再定着や個体数の増加を制限する環境要因についての解析結果をあわせて報告する。 |
著者氏名 | ○河上智也1 ・ 片山昇2 ・ 西澤啓太3 ・ 小林勇太3 ・ 鈴木紅葉4 ・ 森章3 ・ 小林真1 |
著者所属 | 1北海道大学北方生物圏フィールド科学センター ・ 2小樽商科大学商学部 ・ 3東京大学先端科学技術研究センター ・ 4横浜国立大学大学院環境情報学府 |
キーワード | 土壌生物多様性, 人為撹乱, 地拵え, 天然更新, クロノシーケンス |
Key word | Soil biodiversity, Anthropogenic disturbance, Site preparation, Natural regeneration, Chronosequence |