第134回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]

日付 2023年3月26日
開始時刻 15:30
会場名 Room 5
講演番号 T1-8
発表題目 亜熱帯林での林冠ギャップ下と閉鎖林下における光環境の不均質性
Heterogeneity of light environment under canopy gaps and closed forests in subtropical forests
要旨本文  沖縄島北部やんばる域の台風撹乱で形成された林冠ギャップを含む林齢80年生亜熱帯常緑広葉樹林を調査対象とした。研究目的は,林冠ギャップが形成された林内での光環境の連続的な変異と不均一性を評価・検証することである。調査は2022年7月と8月,林冠ギャップを含む等高線方向20m×斜面上下方向30mの調査林分内に照射される太陽光を小型メモリー付き「光合成有効光量子束密度センサー(光量子計)」を用いて,垂直(階層構造)方向に地上2mから最大13mまでの高さ1m地点ごとに,さらに,水平(空間構造)方向には2m地点ごとに林内の相対日射量を三次元的に計測した。日射量を相対値とするためのレファレンスは,林外に突出した17mの高さに設置した。研究の結果,相対日射量は林冠表面から6m付近までが高く,上層林冠部における垂直・水平方向の日射量の不均一性は増加した。垂直方向5m以下の地点では,林冠ギャップ下,閉鎖林冠下とも上層林冠により光量が遮断されたため,日射量の減衰率と不均一性は低下した。林内における日射量の不均一性は,遷移の進行に伴う森林構造の垂直・水平方向の連続的な変化で生じるものであることが推察された。
著者氏名 ○谷口真吾 ・ 田邊しずく ・ 松本一穂
著者所属 琉球大学農学部
キーワード 林冠ギャップ, 光環境の不均質性, 多種共存機構, ギャップ更新, 亜熱帯林
Key word forest canopy gap, heterogeneity of light environment, multispecies mechanism, gap regeneration, subtropical forest