第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]
日付 | 2023年3月26日 |
---|---|
開始時刻 | 10:30 |
会場名 | Room 5 |
講演番号 | T2-4 |
発表題目 | 採取市町村内のばらつきを考慮した野生きのこの放射性セシウム濃度特性 Characteristics of radiocesium concentration in wild mushrooms considering intra-municipality variation |
要旨本文 | 2011年の福島第一原発事故以降、東日本の広域で野生きのこの出荷制限が課されている。今回、同一市町村内で得られた種ごとの放射性セシウム濃度分布特性に着目した解析を行なった。解析には2014年から2019年に東日本の各県で採取された7920件の野生きのこの137Cs濃度データを用いた。同一市町村で80検体以上採取された種の137Cs濃度分布を見ると対数正規分布と見なすことが可能であった。種・市町村ごとに対数正規分布のばらつきの指標である幾何標準偏差を見ると、検体数が増えると値が収束する傾向がある一方、種によって2~3の幅で異なると考えられた。また、種の137Cs濃度の幾何平均値の比は採取市町村によらず一定であり、種の濃度傾向は地域によらず共通であると考えられた。種のばらつきを考慮した濃度分布を見ると、幾何平均濃度が10倍異なる種であってもばらつきの影響で濃度分布が重なる場合があった。一方で種が異なっても濃度の分布が非常に似通ったケースも認められた(例:ナメコとムキタケ,ブナハリタケとヒラタケ)。こうした情報は出荷制限や解除を考える上で重要な情報となる。 |
著者氏名 | ○小松雅史 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域 |
キーワード | 放射性セシウム, 野生きのこ, 種 |
Key word | radiocesium, wild mushroom, species |