第134回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T2. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]
日付 | 2023年3月26日 |
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開始時刻 | 10:45 |
会場名 | Room 5 |
講演番号 | T2-5 |
発表題目 | 原木シイタケ露地栽培におけるホダ木から子実体への移行係数の経年変化 Annual change of transfer factor from log-wood to fruiting body on outdoor cultivation of Shiitake mushroom |
要旨本文 | 栽培基質から作物への放射性Csの移行係数は、管理上の重要な指標であるが、シイタケの原木栽培は栽培期間が長いため、ホダ木中のCsの放射性壊変、菌糸伸長や子実体発生等により、移行係数が変化する可能性がある。そこで、Cs濃度が既知のホダ木から子実体を経年的に採取し、移行係数の推移を調査した。 2017年3月にコナラ原木50本にハウス内で植菌、仮伏せし、同年5月に追加汚染が少ないと思われる岩手県央地域の樹林下へ伏せ込んだ。植菌前に各原木のCs濃度を非破壊検査機で測定し(平均25.2Bq/kg)、栽培期間に応じた壊変補正を行って各調査年のホダ木のCs濃度とした。2019年~2022年の各年の春に、子実体のCs濃度をホダ木毎に測定し、各年、各ホダ木のCs濃度で除して移行係数を算出した。 子実体の平均Cs濃度は低下傾向を示したが、平均移行係数は1.09(2022年)~1.26(2020年)と各年で同程度であった。ホダ木と子実体のCs濃度には相関が見られなかったが、ホダ木毎の平均移行係数は、各ホダ木の年平均子実体発生重量に応じて増大した。子実体のCs濃度に影響を及ぼす要因はホダ木のCs濃度以外にも存在し、移行係数も何らかの要因に影響を受けるが、経年変化は少ないと推察する。 |
著者氏名 | ○成松眞樹 |
著者所属 | 岩手県林業技術センター |
キーワード | 放射性セシウム, 特用林産物, 原発事故 |
Key word | radio cesium, forest by-products, F1 accident |