第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
林政部門[Forest Policy]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | 15:15 |
会場名 | 412 |
講演番号 | A10 |
発表題目 | 明治期の秩父地域におけるニホンオオカミの駆除 Nuisance kills of Japanese wolves in Chichibu area in the Meiji era. |
所属 | 東京農業大学 |
要旨本文 | かつての日本には農林業の害獣を獲物とするニホンオオカミが本州・四国・九州に生息していたが、明治期に絶滅したとされ、その原因は十分には解明されていない。狂犬病や犬ジステンパーに感染したこと、獲物となる野生動物が明治期の乱獲により減少したことが原因として挙げられている。加えて、産馬が盛んだった東北地方では明治期のオオカミ駆除手当制度の記録が残っており、積極的な駆除が行われていた。一方、食物連鎖の頂点であったオオカミは信仰の対象ともなっており、秩父地域を中心に栄えた。そこで本研究では、信仰の対象にもなっていた秩父地域におけるニホンオオカミへの駆除活動の解明を目的とした。明治期の公文書から、埼玉県においてオオカミは有害獣として認識されていたこと、その駆除が推奨されていたことが確認された。また明治7年にオオカミが7匹捕らえられ、皮・胆が加工され売買されていた記録があり、その利用価値からオオカミが乱獲の対象となった可能性もある。以上より、秩父地域においては、オオカミ駆除手当金制度の存在を確認することはできなかったものの、積極的な駆除が行われていた可能性は十分考えられる。 |
著者氏名 | ○植松朔子 ・ 山下詠子 |
著者所属 | 東京農業大学地域環境科学部 |
キーワード | ニホンオオカミ, 秩父地域, 明治期, 駆除 |
Key word | Japanese wolves, Chichibu area, the late 19th century, extirpation |