第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
林政部門[Forest Policy]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | 16:45 |
会場名 | 412 |
講演番号 | A15 |
発表題目 | 林業労働における現代的低賃金構造の予備的考察 A Preliminary Study of Contemporary Low Wages in Forestry Labor |
所属 | 岩手大学 |
要旨本文 | かつての林業労働は日給制に象徴される低賃金が定着しており、その要因は農家による兼業、作業の季節性の高さによる短期就労などとされた。しかし今日では、造林及び伐出労働においても通年雇用が定着し雇用条件の改善も進んでいるが、過去20年間の賃金の上昇はわずかである。本報告の目的は、林業労働の現代的低賃金構造の解明に向けて予備的考察を行うことである。具体的には、低賃金構造の諸要因について検討を加え、かつてと何が変容し何が規定要因なのかについて考察することである。その要因の1点目は、1990年代の経済の国際化段階以降の不況下において、日本全体の賃金水準が低迷したこと、加えて誘致企業の撤退など地方労働市場の変容があげられる。2点目は、特に伐出労働については、丸太価格の下落による賃金上昇契機の喪失である。3点目は、造林労働において、造林補助金の標準単価が現状の賃金水準を前提とするため、低賃金を固定化する方向に作用した可能性である。一方で、かつて低賃金構造を支えた農山村の余剰労働力の階層は今日既に失われており、今日の林業労働力がいかなる階層から析出されているのかを明らかにする必要がある。 |
著者氏名 | ○伊藤幸男1 ・ 三木敦朗2 ・ 奥山洋一郎3 ・ 髙野涼4 |
著者所属 | 1岩手大学農学部 ・ 2信州大学農学部 ・ 3鹿児島大学農学部 ・ 4弘前大学農学生命科学部 |
キーワード | 林業労働, 低賃金, 日給制 |
Key word | Forestry Labor, Low Wages, Daily Wages |