第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2024年3月10日
開始時刻 15:30
会場名 431
講演番号 A29
発表題目 連合国占領下の京都市におけるゴルフ場建設と京都大学上賀茂試験地の移転
The Golf Course Construction and Kyoto University Forest in Kyoto City under Allied Occupation
所属 京都大学
要旨本文 連合国軍占領下の京都市で進駐軍工事としてゴルフ場建設が計画され,計画区域内に所在した京都帝国大学の上賀茂試験地は現在地に移転した。この移転は旧試験地が進駐軍により「接収」されたためと伝わり,『京都大学百年史』(1997)にもその旨の記述がある。しかし実際には,1946年11月に発せられた工事命令は同年12月に解除となり「接収」されたわけではなかった。その後ゴルフ場建設は民間事業として行われたが,背後には進駐軍京都軍政部の強い圧力があり,プロジェクトの取りまとめ役は京都府が担った。京都府は用地買収や移転先の手配などを行い,京大試験地の移転工事は京都府の費用負担により行われたとの記録が残る。これらの経緯の概略は一部では知られていたものの,今回京都大学所蔵資料,京都府行政文書,GHQ/SCAP資料の分析により詳細が明らかとなった。さらにこのゴルフ場建設は,宗教施設の領域を含む京都市近郊の森林域を開発する形で行われ,京都軍政部ほか進駐軍の関与が疑われたことから,GHQの民間情報教育局(CIE)がこれを問題視し,監察総監室(Inspector General)による調査が行われていたことも明らかになった。
著者氏名 ○坂野上なお
著者所属 京都大学フィールド科学教育研究センター
キーワード ゴルフ場建設, 連合軍占領期, 調達要求, 京都大学演習林, 上賀茂試験地の移転
Key word Golf Course Construction, Allied Occupation, procurement demand, Kyoto University Forest, relocation of Kamigamo Experiment Forest