第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 14:15
会場名 342
講演番号 E10
発表題目 ササ型林床ヒノキ⼈⼯林における間伐後の下層植⽣の発達様式
The development patterns of understory vegetation in thinned Chamaechyparis obtusa artificial forests with dwarf bamboo
所属 信州大学
要旨本文 人工林生態系において多面的機能が求められている。林床植生は生物多様性や表土流亡に寄与し,間伐はこれを向上させる。一方,林床にササが繁茂する場合,生物多様性が損なわれるが,バイオマス蓄積には寄与するため総合的評価が求められる。本研究では信州大学農学部附属AFC手良沢山演習林において間伐後年数が0年から21年のヒノキ人工林を調査することで,ササ(スズタケ)と低木層構成樹種の発達過程を考察した。なお,大半の林分において間伐は30%の定性間伐である。調査の結果,間伐後5年生までにササが急速に成長し,10年後にはその高さが最大値に達することがわかった。低木層構成種はこの間被圧されているが,ササの群落高が最大値に達することで,10年後以降にこれと同等もしくは追い抜いて発達した。ただし,被圧されている期間に種数は低く維持されたため,ササ群落を追い越した場合でも多様性は低く維持された。一方,下層植生のバイオマスは先行研究と比較して高い水準を示した。すなわち生物多様性を損なうものの,速やかな林床被覆によって表土流亡を防ぎ,バイオマスを回復することが,ササ群落の人工林生態系における機能であると考えられた。
著者氏名 ○城田徹央1 ・ 一柳きくの2,3 ・ 岡野哲郎1
著者所属 1信州大学学術研究院農学系 ・ 2信州大学農学部 ・ 3株式会社緑屋樹木医事務所
キーワード ササ, 間伐, バイオマス, 生物多様性, ヒノキ
Key word dwarf-bamboo, thinning, biomass, biodiversity, Japanese cypress