第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 9:15
会場名 342
講演番号 E2
発表題目 植栽地の斜面方位によって必要な下刈り回数は変わるか?
Effects of slope direction and slope of afforestation site on the required number of weeding
所属 島根県中山間地域研究センター
要旨本文 島根県内1林分(斜面傾斜35~40°南西向き)でサイズの異なるスギコンテナ苗960本を植栽して適した苗木サイズを検討した。また,必要な下刈り回数について立地条件を考慮して考察した。植栽した苗木は0.5~20g/本の元肥で育成し,苗高9~75㎝であった。下刈りは2成期末12月と3成長期7月の計2回行った。植栽前後は少雨で土壌が乾燥状態であり活着率は苗高60㎝以上で低かった。苗高が高くなるにつれ3成長期末の樹高は高くなる傾向であった。苗高40㎝であれば3成長期末の平均樹高は150cmを超えた。3成長期末の目標平均樹高を150cmとした場合,成長と活着率の両面で考えると苗高は40~60㎝が好ましかった。4成長期8月に90本について抽出調査したところ,樹高は107~396(平均236)㎝に至り,2回下刈りでも更新上の問題は感じなかった。試験地は急峻であったため,斜面上部側からの競合植生の被圧は生じていたが,斜面下部側の競合植生による被覆は小さかった。このため斜面下部側の樹冠は露出しており,直射光によって露出部の枝葉の成長は旺盛であり,樹高成長も良かった。下刈り回数の省略を検討する場合,立地条件の日射条件への影響についても考慮する必要があろう。
著者氏名 ○陶山大志
著者所属 島根県中山間地域研究センター
キーワード 下刈り, スギ, 斜面方位
Key word weeding, Cryptomeria japonica, slope direction