第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 10:15
会場名 342
講演番号 E5
発表題目 人工光型植物工場における給水管理がカラマツ苗の成長に及ぼす影響
Effects of water-supply management on indoor growth of nursery Japanese Larch
所属 信州大学
要旨本文 人工環境下で育成したカラマツ実生苗の特徴と野外馴化について報告する。昨年度は、室温24-25℃、白色LED照明環境下で、温室の4月播種期と同等の生育が四季を通じて実現できることを報告した。一方室内育成苗は根部の張りが脆弱になる傾向が見られた。そこで今回は、給水方法と給水間隔の根部発達への影響、また一定成長後に野外馴化を行った時の地上部と根部の重量比率(T/R)の変化、に焦点を置いて生育調査を実施した。給水間隔を変えた下面給水の3区を設け、上面給水の室内・温室栽培(従来法)を対照区とした。4月播種・育成期間5ヶ月間で全ての区において樹高平均15-20cm、根元径平均3.0-3.5cmになった。上面・下面給水による樹高・根元径の違いはなかったが、給水間隔を開けることで樹高が抑えられ、根部重量が増加して野外と同等のT/R値になった。また、室内栽培時に高いT/R値を示した区でも、2-3ヶ月の野外馴化期間に根部重量が増加し、T/R値は野外育成と同程度となった。以上の結果より、カラマツ苗の室内栽培では、給水制御と野外馴化の期間を設けることで野外栽培と同等の形質の苗を育成できることがわかった。
著者氏名 ○野末はつみ1 ・ 貝賀順子1 ・ 北村浩康2 ・ 吉池義昭2 ・ 上条祐一郎3
著者所属 1信州大学繊維学部 ・ 2マクセルイズミ株式会社家電事業本部 ・ 3株式会社丸八種苗園
キーワード カラマツ, 苗木, 室内栽培, 給水, 人工光型植物工場
Key word Larch, nursery tree, indoor cultivation, water-supply, PFAL