第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
造林部門[Silviculture]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 11:30 |
会場名 | 342 |
講演番号 | E9 |
発表題目 | 人工林皆伐地とその周辺の地形が大型草食獣の採食強度に及ぼす影響 Effects of topography on foraging intensity of large herbivores in a clearcut site and surrounding forests |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 東北地方はニホンジカの生息地域が拡大しており、林業被害が無視できない状況になりつつある。近年人工林皆伐が進められる中、皆伐地がシカの餌場となることが危惧されている。本研究では、シカを含む大型草食獣が、どのような立地で植生を利用しているのか評価した。調査は2022年9月に岩手県盛岡市郊外の国有林で行った。皆伐地とこれに隣接するスギ人工林、落葉広葉樹林において、半径1.7mの円形プロット(面積9㎡)を計46個(内訳:皆伐地22、スギ人工林11、落葉広葉樹林13)を様々な立地に設置し、プロット内の大型草食獣の食痕を植物種ごとにカウントした。ひとつの植物体で10か所以上食痕があるときは食痕数を10とした。皆伐地では平均36.0か所、スギ林では8.9か所、広葉樹林では7.7か所の食痕があり、皆伐地で有意に食痕数が多く集中的に利用されていることがわかった。また、地形では谷地形(平均51.9か所)が斜面(17.5)、尾根(4.3)よりも有意に食痕数が多かった。負の二項分布を当てはめた一般化線形モデルによる解析では、皆伐地は有意に食痕数が多く、尾根は食痕数が少ない傾向がある一方、斜面の傾斜角と林床植被率は食痕数に影響を与えていなかった。 |
著者氏名 | ○酒井敦 ・ 高橋裕史 ・ 相川拓也 ・ 澤田佳美 ・ 野口麻穂子 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 |
キーワード | ニホンジカ, ニホンカモシカ, 植生, スギ人工林, 更新 |
Key word | sika deer, Japanese serow, vegetation, Japanese cedar plantation, regeneration |