第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
遺伝・育種部門[Forest Genetics and Tree Breeding]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 14:45 |
会場名 | 341 |
講演番号 | F3 |
発表題目 | 無花粉スギ「爽春」の遺伝子を持つヘテロクローン間における花粉形成の比較 Comparison of pollen formations among hetero clones carrying the gene of a pollen-free Japanese cedar "Sosyun" |
所属 | 東京慈恵会医科大学 |
要旨本文 | 本研究は無花粉スギの遺伝子を持つヘテロクローンの特性や多様性について明らかにすることを目的としている.今回は正常スギ,無花粉スギ「爽春」,および「爽春」の雄性不稔遺伝子(ms-1)を持つ複数のヘテロクローン(精英樹の交配家系のF1ヘテロクローンと野生型ヘテロ精英樹)の花粉発生過程を,光学顕微鏡と高分解能SEMを用いて観察・比較した. 爽春の花粉形成過程に観察される顕著な形態異常として,①外壁エキシン部分の形成不全,②パピラ部分の崩壊と細胞内容物の流出,③セキシンおよびオービクル構成物質の形成異常と花粉表面への異常沈着,④四分子期におけるカロース壁の残留があげられる. 各へテロクローンの花粉発生過程を経時的に観察した結果,爽春に見られる形態異常(花粉外壁,オービクル,カロース壁の異常)は認められなかった.各クローンは減数分裂~小胞子分裂を経て正常スギと同様に成熟花粉を形成したことから,爽春の雄性不稔にかかわる原因遺伝子はタペート細胞または減数分裂前の複相の細胞で発現していることが推測された. 各クローンについて,小胞子嚢あたりの花粉数や異常花粉の発生頻度等についてもあわせて報告する. |
著者氏名 | ○平塚理恵1 ・ 坪村美代子2 ・ 三嶋賢太郎3 |
著者所属 | 1東京慈恵会医科大学自然科学教室・生物学研究室 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所林木育種センター東北育種場 |
キーワード | 花粉形成, 無花粉スギ, 爽春 |
Key word | pollen formation, pollen-free Japanese cedar, Sosyun |