第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 15:30 |
会場名 | 442 |
講演番号 | H11 |
発表題目 | 天然林におけるヒノキの種子生産とカメムシ類による吸汁被害の年変動 Annual variation in seed production and stink bug damage in old-growth Chamaecyparis obtusa forests |
所属 | 森林総合研究所東北支所 |
要旨本文 | ヒノキは日本の温帯性針葉樹林を代表する樹種であるが、天然林の更新に影響する種子生産量および充実率の年変動に関するデータは乏しい。また、採種園での知見から、カメムシ類による吸汁が本種の種子の充実率低下をもたらすことが知られている。本研究では、高知県西部および長野県木曽地方のヒノキ天然林を対象に、落下種子数と充実率の年変動を明らかにし、カメムシ類による吸汁の影響について考察した。シードトラップを用いて落下種子数を観測し、軟X線写真による充実種子の判別と、染色と実体顕微鏡観察による吸汁痕の確認を行った。高知では25年間の観測中に3回、木曽では8年間に1回、顕著な豊作が認められた。高知の種子の充実率は、豊作年では10〜30%であったが、並作年では5%に満たない年が複数みられた。また、種子の70%以上に吸汁痕が認められた年があり、カメムシ類による吸汁被害の影響が大きいと考えられた。一方、木曽では並作年でも、充実率が30%を超える年が複数回記録された。高知では限られた豊作年にのみまとまった量の充実種子が供給されるが、木曽では並作年にも比較的安定して充実種子が供給されていると考えられた。 |
著者氏名 | ○野口麻穂子1 ・ 酒井武2 ・ 相川拓也1 ・ 倉本惠生2 ・ 大谷達也3 ・ 稲垣善之3 ・ 齋藤智之1 ・ 高橋利彦4 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所四国支所 ・ 4木工舎「ゆい」 |
キーワード | ヒノキ, 種子, 豊凶 |
Key word | Chamaecyparis obtusa, seed, masting |