第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 10:30 |
会場名 | 442 |
講演番号 | H3 |
発表題目 | RTK-UAVを用いた地震由来の斜面崩壊跡地における初期の植生回復要因の把握 Assessing Primary Vegetation Recovery from Earthquake-Induced Landslide Scars: A RTK-UAV Approach |
所属 | 京都府立大学 |
要旨本文 | 斜面崩壊などの大規模攪乱跡地では, 土砂や水の流出を抑制するために, 植生回復が望まれる。人工的な植生回復は費用が高く, 植物の自然侵入による植生回復手法も併せて検討する必要がある。しかし, 大規模攪乱跡地の植生回復と環境要因との関係は未解明な点が多い。本研究では, 地震由来の斜面崩壊跡地の初期の植生回復の実態と, 植生回復に影響を与える環境要因を推定することを目的とした。対象地は, 2018年発生の北海道胆振東部地震から約2年後の242の斜面崩壊跡地とした。植生の組成を把握するため, 現地にて植生調査を実施した。その結果, 草本種ではアキタブキ, 木本種ではカラマツの植被率が高く, 初期の植生回復に寄与していた。さらに高い位置精度を備えたRTK搭載ドローンから得られたオルソ画像と数値表層モデルを用い, 目的変数を植生回復率, 説明変数として地表面変化量, 生物学的遺産(残存植生等)からの距離, 傾斜角や日射量等を考慮し, 一般化線形モデルを用いて解析を行った。その結果を以下に要約する。1)生物学的遺産からの距離が近く, 2) 侵食や堆積が少なく,3)急傾斜かつ日照量が多い斜面以外の立地では高い植生回復率が期待できる。 |
著者氏名 | ○中田康隆1,3 ・ 速水将人2 ・ 石山信雄2 |
著者所属 | 1京都府立大学大学院生命環境科学研究科 ・ 2北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 ・ 3東京大学空間情報科学研究センター |
キーワード | 生物学的遺産, 植生遷移, 先駆種, 地形変化, 土砂移動 |
Key word | Biological legacies, Plant succession, Pioneer species, Topographic change, Movement of debris |