第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
植物生態部門[Forest Ecology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 11:30 |
会場名 | 442 |
講演番号 | H6 |
発表題目 | ヒノキ人工林の小面積皆伐に対する林床植生の対応 Responses of forest floor vegetation of Japanese Cypress plantation to small-scale clear-cutting |
所属 | 豊田市矢作川研究所 |
要旨本文 | 愛知県豊田市は、市が進めている人工林の伐採効果を検証する「水源かん養機能モニタリング」を、2015年度より市有林で実施している。試験地内の小河川流域で皆伐と利用間伐を行い、東京大学大学院農学生命科学研究科の協力を受け、伐採の実施前から実施後にかけて、水と土砂の流出特性及び水質の変化をモニタリングしている。先行研究から、人工林で伐採が行われると光環境が改善され、林床植生や林床植生由来の落葉落枝が増加して土壌浸透能が上昇し、表面流や土砂流出の量が減少することが予測された。そこで、伐採後に林内の光環境が改善され、林床植生が増加するか確認するための調査を行った。伐採強度が7~93%と異なる5つのヒノキ人工林調査区で、伐採の3年後に光環境(開空率)と林床植生の調査を行ったところ、伐採強度が高く立木密度の低い調査区では開空率が上昇し、林床植生の植被率及び植生高が高くなっていた。最も開空率が高い調査区では、他の調査区に比べ、平均植被率が約25%高かった。このことから、立木密度の高い人工林内で、小面積であっても強度の伐採を行うことで光環境が改善し、伐採から3年程度で林床植生の回復が可能であることが示された。 |
著者氏名 | ○洲崎燈子1 ・ 蔵治光一郎2 ・ 豊田市森林課3 |
著者所属 | 1豊田市矢作川研究所 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 3豊田市森林課 |
キーワード | ヒノキ人工林, 光環境, 林床植生 |
Key word | Japanese Cypress plantation, light environment, forest floor vegetation |