第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2024年3月10日
開始時刻 9:30
会場名 341
講演番号 I1
発表題目 10年間の森林下層植生除去が土壌生物群集機能に与える影響
Effects of understory removal for 10 years on ecosystem functions of soil organism community
所属 九州大学
要旨本文 近年、国内の多くの森林でササ林床が消失しているが、ササの消失が森林土壌や林分にどのように影響するのか、長期的な影響についてはわかっていない。本研究では、10年間にわたる下層除去実験により、下層植生が土壌生物の構造や機能、植生の生産性に及ぼす影響を明らかにした。カラマツ とミズナラ の 5 林分に10 メートル四方のプロットを 2 つずつ設置した。片方の下層植生を除去し、その区画をT、伐採されていない区画を C と名付けた。 2013年から2023年の間のいずれかの年において、土壌呼吸、窒素循環、PLFA、土壌微節足動物、有機層の量、落葉量、植物の成長などを測定した。下層除去は前期には生物量などの土壌機能を活性化し、後期には低下させた。一方で地上樹木の反応は種によって異なったものの、長期的な影響としては限定的であった。例えば、微生物バイオマスと小型節足動物の存在量は、実験初期には C よりも T ではるかに高かったが、後期になるとCよりも T の方が低かった。 微生物による基礎呼吸は、C よりも T の方が低く、その差は、実験期間後半ほど大きく、一方植物の成長や生産量は、処理による影響が上層樹種や実験時期により異なった。
著者氏名 ○菱拓雄1 ・ 兵藤不二夫2 ・ 榎木勉1 ・ 福澤加里部3
著者所属 1九州大学大学院農学研究院 ・ 2岡山大学大学院環境生命科学研究科 ・ 3北海道大学北方生物圏フィールド科学センター中川研究林
キーワード 土壌小型節足動物群集, PLFA, 土壌呼吸, ミズナラ, カラマツ
Key word soil micro-arthropod community, Phospho-lipid fatty acid, soil respiration, oak, larch