第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 10:00 |
会場名 | 341 |
講演番号 | I3 |
発表題目 | タイ西部の熱帯季節林での森林動態と物質循環の長期観測 Long-term observations of forest dynamics and material cycles in tropical seasonal forests in western Thailand. |
所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 |
要旨本文 | 熱帯林の急速な減少、地球規模の環境問題への関心の高まり、リオ地球サミット「森林原則」合意を受け、様々な熱帯林の動態や保全に関する研究が行われている。我々はカセサート大学と協力し、1990年からタイ西部のメクロン流域試験地で熱帯季節林の森林動態や物質循環の長期観測研究を続けてきた。これまで、森林のバイオマスは微増が続いており、現在も極相状態に至っていないこと、林冠下に混交するタケのバイオマスが樹木を含む地上部全体の約40%におよぶこと、複数種で見られたタケの一斉開花・枯死後に林冠下の植生パターンは劇的に変化することなど、この地域の森林に特徴的な森林動態を解明した。また、乾季から雨季への土壌水分の湿潤化によって土壌呼吸や土壌バイオマスが急激に増加すること、器官ごとに季節的なリターフォールパターンを示すこと、果実のリターフォールが相対的に湿潤なラニーニャ年に多いという気候変動の影響を解明した。さらに、乾季に毎年発生する山火事の延焼範囲や頻度は地形で異なり、それに応じてタケ種が分布することから、現在はタケ類の種によって様々な耐火機能が関わるとの仮説のもと、その解明に取り組んでいる。 |
著者氏名 | ○平井敬三1 ・ Marod Dokrak2 ・ 齋藤智之3 ・ 梅村光俊4 ・ 中静透1 ・ 高橋正通5,1 ・ 田中浩5 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2カセサート大学 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 4国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 ・ 5国際緑化推進センター |
キーワード | 混交落葉林, 炭素窒素動態, モンスーンアジア, モニタリング, タケ共存 |
Key word | mixed deciduous forest, carbon and nitrogen dynamics, Monsoon Asia, monitoring, coexistence of bamboo |