第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
立地部門[Forest Environment]
日付 | 2024年3月10日 |
---|---|
開始時刻 | 11:15 |
会場名 | 341 |
講演番号 | I7 |
発表題目 | ヒノキ林における間伐が土壌の温室効果ガスフラックスに及ぼす影響 Effects of thinning on soil greenhouse gas fluxes in hinoki cypress plantations |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 間伐はヒノキ人工林において重要な森林施業であるが、間伐が主要な温室効果ガスである二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素フラックスに及ぼす影響については情報が少ない。本研究では高知県の標高の異なる2地域のヒノキ人工林において隣接する無間伐区との間伐区(本数間伐率50%)を設定し、間伐後4年間にわたってフラックスを測定した。高標高地域(1150m)では、間伐区において二酸化炭素放出速度が低く(85%)、メタン吸収速度が低かった(64%)。根呼吸の低下によって二酸化炭素放出が低下し、伐採時の表土かく乱による容積重の増加によってメタン吸収が低下すると推察された。低標高地域(710m)では、二酸化炭素放出速度には調査区間で差は認められず、メタン吸収速度は間伐区で高かった(132%)。間伐区では容積重が小さく、メタン吸収にとって好適であった。隣接する調査区ではあるものの、微地形による土壌物理性の差がメタン吸収速度に影響を及ぼした。2つの地域において亜酸化窒素放出速度はまれに高い値を示したが間伐の影響は認められなかった。以上の結果より、土壌の物理性がメタン吸収速度に影響を及ぼすため、間伐による物理性の変化を考慮することが重要である。 |
著者氏名 | ○稲垣善之1 ・ 阪田匡司1 ・ 森下智陽1 ・ 石塚成宏1 ・ 高橋正通1 ・ 橋本昌司1 ・ 深田英久2,3 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 ・ 2高知県 ・ 3高知県立森林技術センター |
キーワード | ヒノキ, 間伐, 二酸化炭素, メタン, 亜酸化窒素 |
Key word | hinoki cypress, thinning, carbon dioxide, methane, nitrous oxide |