第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 14:15 |
会場名 | 343 |
講演番号 | J14 |
発表題目 | 林地の尾根部と谷部におけるTEROS21を用いた水分ポテンシャルの連続観測 Observation of the water potential in the upper and lower parts of the forest area using TEROS 21 |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 気候変動は,これまで予測できなかった降雨の極端化(豪雨や長期無降雨)を引き起こしている。降雨の極端化は,森林土壌の乾湿を従来から劇的に変化させ,森林生態系や水源涵養機能に影響をおよぼす。森林土壌の乾湿の観測に古くから用いられてきたテンシオメータは,湿潤状態を精度よく観測できる一方で,-100 kPaを下回る乾燥状態を観測できない。近年普及している静電容量式のポテンシャルセンサー(例えば,TEROS21(Meter社))は,乾燥領域の観測に有効である反面,湿潤状態の観測では誤差が大きい。本研究では,原位置のポテンシャル観測におけるTEROS21の有効性について検討するため,同センサーにより林地の斜面上部および下部の土壌水分ポテンシャルを連続観測した。その結果,斜面上部では,夏期の無降雨期間において,テンシオメータの測定限界を超える-200 kPa近い土壌の乾燥がとらえられた。一方で,斜面下部においては,-8 kPaよりも湿潤な土壌のポテンシャルをうまく観測できなかった。このような湿潤領域のポテンシャルについては,現場試料から作成した水分保持曲線と同時に観測を行っている体積含水率のデータを用いて修正が可能であると考えられる。 |
著者氏名 | ○関口覧人 ・ 釣田竜也 ・ 小林政広 |
著者所属 | 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域 |
キーワード | 水分ポテンシャル, 林地斜面, 連続観測 |
Key word | water potential, forest slopes, continuous observation |