第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 14:30 |
会場名 | 343 |
講演番号 | J15 |
発表題目 | 堆積岩斜面での土壌水分観測によって推定された流出機構と水収支 Storm-runoff mechanisms and water balance estimated from an observation of soil water on a sedimentary-rock slope |
所属 | 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター |
要旨本文 | 筆者らは、滋賀県内の水文試験地における観測結果をもとに、降雨規模による洪水流出域の拡大および洪水流出減衰過程を解析し、流域の洪水流出特性について考察してきた(小島・谷、水文・水資源学会誌31(2)、2018)。しかし、流域全体の洪水流出機構を明らかにするため、土壌水分の時空間分布の観測ならびにその斜面からの湧水の観測を約2年間にわたって実施し、観測斜面の土壌水分量の空間分布と観測斜面や小流域全体から流出する流量との関係について、時間変動と水収支の両面から考察を加えた。 無降雨期間が続いた後の降雨イベントについて解析したところ、1)降雨の継続とともに斜面下部から中部まで土壌層全体が湿潤になる一方で、斜面上部の土壌層では深部に乾燥状態が残っており、洪水流出の寄与域が斜面下部から中部までであることが確かめられた。2)降雨の継続に伴って土壌層全体が湿潤化すると、圧力水頭が降雨に応答して速やかに変化するようになったが、土壌含水率は飽和に達しておらず、不飽和状態での鉛直浸透が継続していた。3)洪水流出の減衰過程においては、流出寄与域における土壌水分の減少量と流出量との間でほぼ水収支が成り立つことが確認された。 |
著者氏名 | ○小島永裕1 ・ 正岡直也2 ・ 谷誠3 |
著者所属 | 1滋賀県琵琶湖環境科学研究センター ・ 2京都大学大学院農学研究科 ・ 3元京都大学大学院農学研究科 |
キーワード | 斜面水文学, 洪水流出機構, 土壌水分動態, 谷壁斜面, 堆積岩山地 |
Key word | hillslope hydrology, storm-runoff mechanism, soil water dynamics, valley-side slope, sedimentary rock mountains |