第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 14:45
会場名 343
講演番号 J16
発表題目 山地流域における豪雨時の流出応答を過去のデータから評価する
Evaluating runoff response to heavy rainfall in mountain watersheds from historical data
所属 東京大学
要旨本文 豪雨時の山地河川は、水位変化が大きく土砂移動も激しいため流量観測が困難でデータがほとんどない。そのような中、東京大学の生態水文学研究所では堅固に作られた量水堰堤により100年近く観測が継続され、欠測の少ない日単位の降水量、流出量が整理・公表されてきた。これまで同様に長期の観測値がある堆積岩からなる森林総研竜ノ口山森林理水試験地では、ひとあめ雨量100mmを超えると降雨強度と流出強度がほぼ1:1となることが示されているが、この現象が一般的なのかは不明である。本研究では、花崗岩からなる白坂流域で、1950年以降の記録から5分~1時間単位の降雨、流出データを取得し、豪雨時の流出応答を評価することを目的としている。本研究ではひとあめ雨量300mmを超える8回の豪雨時についてのデータが得られ、ひとあめ雨量と直接流出量を比較したところ、雨量が200~300mmを超えると降雨強度と流出強度がほぼ同じになることが示された。地質等の違いにより降雨強度=流出強度となる閾値は異なるが、降雨強度がある値を超えると、それ以降は降った雨と同じ量の水が流出するようになる現象は流域間で共通している可能性が示唆される。
著者氏名 ○浅野友子1 ・ 岸本光樹1 ・ 芳賀弘和2
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2鳥取大学農学部
キーワード 直接流出量, 長期の降雨流出データ, ひと雨降水量, 洪水調節機能, ピーク遅れ時間
Key word direct runoff, long-term rainfall-runoff data, depth of a rainfall-event, flood control functions, peak lag time