第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 15:30 |
会場名 | 343 |
講演番号 | J18 |
発表題目 | 堆積岩山地における基岩の透水性および保水性についての考察 Permeability and water retention characteristics of bedrock in sedimentary rock mountains |
所属 | 京都大学 |
要旨本文 | 近年の研究で山体基岩のもつ保水性・透水性の解明が進み、森林の水源涵養機能に基岩が果たす役割の大きさが改めて認識された。しかし岩の種類による特性の違いは明らかでなく、特に堆積岩に関するデータは少ない。本研究では堆積岩流域である滋賀県信楽水文試験地で掘削した2本のボーリング孔で採取したコアから、深度1.73~22.61mの範囲で長さ5cmのサンプルを計16個切り出し、変水位透水試験により飽和透水係数Ksを測定した。Ksは約10^-3~-7cm/secの範囲で、幾何平均は3.6×10^-6と小さな値であった。深度や風化度との相関性はみられず、コアに閉口亀裂や粘土脈が含まれる場合にKsが大きくなる傾向がみられた。花崗岩コアの既往研究(Katsura et al., 2009 VZJ)と比較すると、同じ風化度(CL~CM級)でのKsは同程度の値であった。しかしボーリング柱状図を比較すると、花崗岩流域では土層下に透水性の高いD級(強風化)基岩が厚く分布することが多いのに対し、堆積岩流域(本流域)ではD級基岩はほとんどなくCL~CM級基岩が大部分を占めていた。一方で厚さ10cm前後の破砕帯が深い位置でもみられ、これが水移動において重要な役割を担っている可能性が示唆された。 |
著者氏名 | ○正岡直也 ・ 青野友哉 ・ 岡本相大 ・ 小杉賢一朗 |
著者所属 | 京都大学大学院農学研究科 |
キーワード | 飽和透水係数, 保水曲線, 基岩, 堆積岩, 水文過程 |
Key word | saturated hydraulic conductivity, water retention curve, bedrock, sedimentary rock, hydrological process |