第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月8日 |
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開始時刻 | 14:30 |
会場名 | 443 |
講演番号 | J2 |
発表題目 | 森林の成熟が土砂災害発生に与える影響の全国的評価 Impacts of the maturity of forests on landslides: Evaluation on the national scale |
所属 | 宮崎大学 |
要旨本文 | 日本では,森林の成熟に伴い,土砂災害が減少してきたことは広く知られているが,その効果を定量的に評価した研究はない。本研究では,まず,国内外のデータを用いて林齢と土砂災害脆弱性指数との関係を構築した。この関係と,国内の長期の齢級構成データを用いて,1966年~2017年の国レベルでの土砂災害脆弱性指数を推定した。国レベルでの土砂災害脆弱性指数と既往の研究で用いられる降雨指標の2つから,国内の降雨による土砂災害発生件数を予測する一般化線形回帰モデルを構築した。このモデルに,いくつかの齢級構成シナリオ及び降雨シナリオを入力することで,森林や降雨が変化した際の土砂災害発生件数の変化をシミュレーションした。その結果,若齢林主体及び壮齢林主体の森林の土砂災害発生件数は,老齢林主体の森林のそれぞれ2.4倍及び1.1倍と推定された。老齢林主体の森林から若齢林主体の森林に変化した際の土砂災害発生件数の増加は,降水指標が20%増加した際の土砂災害発生件数の変化よりも大きかった。気候変動による降水の増加なども懸念される中,森林を成熟させた状態に保つことは,国レベルでの土砂災害脆弱性を増加させないために重要であると考えられる。 |
著者氏名 | ○篠原慶規1 ・ Novia Lusiana2 ・ 今泉文寿3 |
著者所属 | 1宮崎大学農学部 ・ 2宮崎大学大学院農学工学総合研究科 ・ 3静岡大学学術院農学領域 |
キーワード | 降雨, 土砂災害, 日本 |
Key word | Rainfall, Landslide, Japan |