第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 9:00 |
会場名 | 343 |
講演番号 | J5 |
発表題目 | エルニーニョ南方振動 が突き動かす ボルネオ熱帯雨林の 炭素・水循環 El Niño-Southern Oscillation forcing on carbon and water cycling in a Bornean tropical rainforest |
所属 | 東京大学 |
要旨本文 | 熱帯雨林と大気との間でやり取りされる二酸化炭素と水蒸気は、地球規模の炭素収支と水循環に重大な意味を持つ。ボルネオ熱帯雨林の二酸化炭素吸収の年々変動は、エル・ニーニョ南方振動(ENSO)に影響されていると考えられてきたが、そのメカニズムはおろか、本当にそうなのかさえ分かっていなかった。本研究では、いくつかのENSOイベント(エル・ニーニョとラ・ニーニャ)を含む10年間のフィールド観測と観測データに基づくシミュレーションモデルにより、森林単位の二酸化炭素吸収速度がラ・ニーニャ時で大きくなりエル・ニーニョ時で小さくなること、そしてそれは、光合成能力(カルビン・ベンソン回路の最大炭酸固定反応速度)がラ・ニーニャ時で大きくなりエル・ニーニョ時で小さくなることが原因であると明らかになった。今回の知見は、東南アジアの熱帯雨林が長期的にどのように炭素を蓄積してきたのかを理解し、未来の東南アジア熱帯雨林だけでなく地球規模の炭素収支の予測に役立つだろう。 |
著者氏名 | ○熊谷朝臣 |
著者所属 | 東京大学大学院農学生命科学研究科 |
キーワード | 東南アジア熱帯, 渦相関法, 光合成, 蒸散, 2層ビッグリーフモデル |
Key word | Southeast Asian tropics, eddy covariance, photosynthesis, transpiration, two- big- leaf model |