第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 9:15 |
会場名 | 343 |
講演番号 | J6 |
発表題目 | ワサビ田の微気象構造とその上位部に生育するヒノキの樹液流測定 Microclimatic structure of wasabi fields and sap flow of cypress growing in the upper part |
所属 | 東海大学 |
要旨本文 | 静岡市のワサビ田は冬期の降水量が少なく、水不足が顕著である。標高の異なる2か所で調査した。サイトA(標高700m)では中段から下段にかけて、生育適温範囲下限値である8.0℃以下にさらされた時間が、2021年度では53日間であったが2022年度は83日間と増加した。サイトB(標高380m)では2023年度に中段で同値が11日間であった。サイトAにおいて、山葵田の水流が接地気層へ与える影響を精査するために、2022年の5月から8月にかけて、中段において2高度の温度差の計測結果を解析した。期間前半は、山葵の被覆率は100%を達成しており、植被効果により温度差(上―下)は負の値を示し(N=13)、最低値は-0.8℃となった。一方、期間後半は大部分の山葵が収穫されて、田面が露出したことにより、接地気層は流水に伴う冷気の影響を受け、温度差は正の値を示し(N=18)、最大値は0.4℃となった。山葵は通年栽培であるために、被覆率の異なる田面がモザイク状に存在し、複雑な微気象環境を作り出していた。また、サイトBの上位部に位置するヒノキ林分において、樹液流測定を行った結果、渇水期においても樹液流動が活発で、ワサビ用水との水競合が生じている可能性が示された。 |
著者氏名 | ○竹内真一1 ・ 田中伸彦2 ・ 篠崎圭太郎3 |
著者所属 | 1東海大学海洋学部 ・ 2東海大学観光学部 ・ 3南九州大学環境園芸学部 |
キーワード | ワサビ, 渓流, 微気象, 樹液流, ヒノキ |
Key word | Wasabi, stream, micro climate, sap flow, Cypress |