第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

利用部門[Forest Engineering]

日付 2024年3月10日
開始時刻 14:30
会場名 432
講演番号 K10
発表題目 産業連関分析による木製治山ダム建設の温室効果ガス排出量
Greenhouse gas emissions from timber check dam construction based on input-output analysis
所属 秋田県立大学
要旨本文  地球温暖化緩和や地域活性化の観点から木材利用が促進され,土木分野での木材利用も検討されている。土木分野の中でも治山ダムは木材利用量も多く,建築に適さない材も利用できることから木材の供給先として期待されている。しかし,他工種に比べ建設費が高価なため,選定は限定的である。そこで,本研究では同条件で設計した木製,コンクリート製,鋼製治山ダムの積算書を用いて最終需要増加額を算出し,温室効果ガス排出量を産業連関分析により評価することで木製治山ダムの付加価値を定量化した。 その結果,温室効果ガス排出量は木製治山ダムが21 239 kg-CO2-eq, コンクリート製治山ダムが55 572 kg-CO2-eq, 鋼製治山ダムが28 083 kg-CO2-eqとなった。特に木製,鋼製では銑鉄や電力産業,コンクリート製ではセメント産業での排出量が多かった。主材料の生産における排出量が多いことは各治山ダムで共通していた。しかし,木製は主材の木材生産における排出量が他材料と比較して少なくなった。治山ダムに広く利用されているコンクリート製から木製に代替することで温室効果ガス排出量の低減に寄与する可能性が示された。
著者氏名 ○藤田智郁 ・ 野田龍
著者所属 秋田県立大学木材高度加工研究所
キーワード 産業連関分析, 温室効果ガス, 治山ダム, 木材利用, 森林土木
Key word input-output analysis, greenhouse gas, check dam, wood use, forest civil engineering