第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

利用部門[Forest Engineering]

日付 2024年3月10日
開始時刻 10:30
会場名 432
講演番号 K6
発表題目 中間土場による運材費の削減は経済的な再造林可能範囲を拡大出来るか
Can reducing transportation costs through satellite yards increase the economically feasible plantation area?
所属 地方独立行政法人 北海道立総合研究機構
要旨本文 日本全国における人工林の皆伐後の再造林率は、皆伐面積の3~4割で推移しており、再造林を阻む要因とされる素材生産から造林までの費用低減が求められている。そこで本研究では、輸送費の削減に有効とされる中間土場を利用した輸送方法による、皆伐から植林、下刈りまでの期間での収益の改善効果を評価した。調査対象地は、既往の中間土場が1カ所存在する北海道南部のトドマツ人工林(約3千小班、7千ha)とした。解析手順では、まず、中間土場が設置可能な箇所を地形解析から3ヶ所抽出した。次に、同一地域にて実施された丸太輸送に関する功程調査の結果(酒井ら 印刷中)と道路ネットワーク解析を組み合わせ、各小班から近郊の製材工場までの丸太輸送をトラックによる直送で行った場合と、中間土場でトレーラーに載せ替えて輸送した場合の必要日数および輸送費を算出した。解析の結果、86%の林分で中間土場経由の丸太輸送が採択され、調査地全体での輸送費は平均2000円/㎥減少した。この傾向は製材工場から遠い林分ほど顕著であった。また、各林分で輸送費が小さい輸送方式を選択した結果、収益が正となる人工林面積及び蓄積が直送のみに比べ約47%増加した。
著者氏名 ○津田高明1 ・ 酒井明香2
著者所属 1北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 ・ 2北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場
キーワード ネットワーク解析, GIS, 森林作業道作設費, 地形解析, トドマツ
Key word Network analysis, GIS, Strip road construction cost, Land analysis, Todo-fir