要旨本文 |
本校近くにある武尊山には、水源の森ルートという登山道があり、ブナ林やオオシラビソ林が多く残るフィールドである。昨年の調査では5種の木本について分布調査を行い、樹木ごとに分布が局在していることが分かった。要因としては、地形や標高、森林の遷移状況に影響されていることなどが考えられた。しかし、昨年は対象の樹種が少なく、明確な考察にならなかった。そこで今年は登山道沿いすべての樹種を調べたいと思い、再度調査を行った。調査場所は、武尊山北東部にある登山道、水源の森ルートの入り口(標高1、510m)から避難小屋(標高1、758m)までの区間とした。そのルートに50mごとのポイントを設定し、計50地点の調査地点を設定した。50地点で10m四方の調査区を設定し、その範囲内の樹木を調べ、同定した。出現する樹種を低木層(3m以下)、高木層(樹冠を構成する樹木)亜高木層(3m以上であるが高木層に達しない)、に分け、それぞれの数を数えた。ただし、胸高直径3㎝以下の樹木は対象外とした。結果、14種の木本が記録され、樹種ごとの出現本数を調査区ごと比較し、登山道沿いの樹種の分布変化から、森林の遷移状況について考察した。 |