要旨本文 |
環境に良いとされるバイオマス発電では多量の灰が産業廃棄物として出ることを知った。せっかく廃材が発電に利用されているのに、もったいないと考え、灰の有効利用について研究することにした。令和元年度に本校の先輩がバイオマス灰について研究したデータが残っていたため、研究方法を参考にして自分たちの課題研究のテーマにして引き続き研究したいと考えた。現在灰が利用できないのは灰の中にクロムが含まれているからである。クロムを除去する方法を発見し、灰の有効な利用方法が見つかれば、地域の産業の活性化を進めることができると考えている。 先行研究からバイオマス灰の成分は塩基性であり、塩酸を用いて中和滴定するとppとMOの変色域で2段階の中和反応が起きることがわかっており、炭酸塩または炭酸水素塩が灰に含まれる可能性が示された。本研究では滴定を行うことで、灰に含まれる塩の種類と量を特定することを目標に中和滴定を行い、また、再結晶した灰の成分を偏光顕微鏡で観察し、結晶の形状から、成分の特定を試みた。また、灰の中に含まれていると考えられるクロム化合物を沈殿させる方法を模索し、クロムの濃度を吸光光度計を用いて測定した。 |