第135回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]
日付 | 2024年3月10日 |
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開始時刻 | 14:45 |
会場名 | 332 |
講演番号 | L11 |
発表題目 | Heterorhabditis属線虫の共生細菌のマツノマダラカミキリに対する殺虫活性 Insecticidal activity of symbiotic bacteria of a Heterorhabditis nematode against Monochamus alternatus |
所属 | 森林総合研究所 |
要旨本文 | 演者らは第134回日本森林学会大会において、土壌由来の昆虫病原性線虫Heterorhabditis megidis(以下、線虫)がマツノマダラカミキリ幼虫に高い殺虫活性を示すことを報告した。線虫は昆虫体内に侵入後、共生細菌を放出し、その細菌の殺虫活性により昆虫は死亡する。本研究では、共生細菌を防除素材として利用することを目指して、線虫、線虫に感染し死亡したマツノマダラカミキリ幼虫、および健全な幼虫の細菌叢をアンプリコンシーケンス解析により調べたところ、前2者で細菌叢の重なりが大きく、その中に殺虫に関与した共生細菌が含まれると考えられた。そこから主要な2種を選抜・分離し、形態およびゲノム情報に基づいた分類により、Photorhabdus temperataとPseudomonas属の新種であると同定した。次に、経口感染実験を行ったところ、マツノマダラカミキリ幼虫に対して細菌2種が殺虫活性を示した。大部分の共生細菌は線虫により昆虫の血体腔に運ばれて初めて殺虫活性を示すと考えられてきたが、本研究の共生細菌2種は単独で経口感染による殺虫活性を示し、防除素材として有望であることが明らかになった。 |
著者氏名 | ○前原紀敏1 ・ 高務淳1 ・ 小澤壮太2 ・ 中村克典2 |
著者所属 | 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林昆虫研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 |
キーワード | 昆虫病原性線虫, 共生細菌, マツノマダラカミキリ幼虫, 微生物的防除 |
Key word | entomopathogenic nematode, symbiotic bacteria, Monochamus alternatus larvae, microbial control |